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“リストラ”という言葉が取り沙汰されることもないほど普通になってしまったこの現代の日本で、クレイジーなリストラが常に身近にある会社があった。その名も『大会社』。『大会社』では、ちょっと変わったワンマン社長の気分次第で社員のクビがどんどん切られ、社員たちは目立たないように目立たないように過ごす毎日を送っていた。
順平もそんな中の一人。口うるさい妻はいるけれど、可愛い愛人もこっそりつくってそれなりに楽しんでいるつもりだった・・・が、ある日、クビをかけた新商品の開発チームに選ばれ、戦々恐々。社長の前で行うプレゼンが成功しなかったら、その場でリストラされてしまうと思うと順平はいてもたってもいられない。
悶々とする順平が夜ベットに入ると、突然夢にどこからかおじいさんとおばあさんが現れた。わけのわからないことを口走る彼らによって、順平は強引に別の世界に押し出されてしまう。その夢の中の世界で、順平はどうやらある物語の中に入り込んでしまったらしいことに気づく。そして、その世界でも集まってきた、『大会社』の新商品開発チームのメンバー。だが、その性格は、現実世界のメンバーとは、全く別のものだった・・・・。
どこから夢で、なにが現実かわからない、夢と現実が交錯する中、順平とチームのメンバーは夢の世界では強大な敵と戦うことを、現実ではプレゼンを成功させることを強いられる。はたして、二つの世界のメンバーたちは、どんな道を選択するのか。そして、夢の世界は本当にただの順平の夢なのだろうか・・・・。
人間の持つ“二面性”をクローズアップしつつも、『人間らしく生きること』を問い掛ける、ヒューマンストーリ-。